症例102|検証:靴下によるアーチ変化

1. 観察目的

靴下を履くことで、足のアーチ構造にどのような変化が生じるのかを観察するため、
ペドスコープ型観察装置を用いて立位静止時の足底形状を比較した。

2. 方法


被験者は素足および一般的なスポーツソックスを着用し、
それぞれ同一条件下で立位姿勢を保持。
足底接地面の発光分布とアーチ構造の変化を観察した。

3. 結果


素足の状態では、足底中央部に明確な光の抜けが見られ、
内側縦アーチが健全に保持されていることが確認できた。
一方、靴下を履いた状態では、
左足(画面右側)の内側アーチが膨張し、
接地面積が増加。
発光の抜けが減少しており、舟状骨が下方へ沈下していることが確認された。

【追加観察】


素足と靴下着用時の足跡を重ね合わせた合成画像では、
靴下を履くことで小指と薬指が内側に押し込まれていることが確認できた。
この変化は、靴下の横方向の張力が指の自然な外転(開く動き)を妨げていることを示す。
結果として、外側縦アーチを支える小趾外転筋の働きが抑制され、
アーチの支点が内側に偏りやすくなる。



(下図:素足と靴下着用時の足跡比較・赤丸部=小指と薬指の変位)

【観察ポイント】

素足:内くるぶしの下のラインは垂直。
アーチ保持により、荷重が均等に分散している。

靴下着用:くるぶし下のラインが内側に傾き、
内側アーチが潰れている様子が見られる。
この状態では、体重が内側に移動し、膝関節にもねじれが生じやすい。

4. 考察


靴下の素材や圧迫構造が、小趾外転の動きを制限することで
外側縦アーチおよび水平アーチの形成が不十分となり、
結果的に内側アーチが支えを失って膨張したと考えられる。



この変化は、立位という「無意識の状態」で生じており、
日常生活の中でもアーチが常に潰れたままになる危険性を示唆している。

【結論】


靴下を履くだけで、足のアーチ構造が崩れ、
足部剛性の低下が静的立位の段階から始まっていることが確認された。



この崩れが、歩行や片足立ちの動作時にどのように拡大するのか──

👉 症例106|動作中のアーチ低下比較(動画あり) へ続く。

【備考】


※本観察は研究の一環として行われたものであり、結果には個人差があります。
※ラクちんソックスは医療機器ではなく、身体機能を補助する目的で設計された製品です。

👉 足の崩れはどこから始まるか

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