足首が外反すると、母趾は外反母趾の方向へ動く
足の裏を外へ向ける動きを「外反」といいます。 立っている身体が外側へ傾いても、足首が床に合わせて動くため、私たちは倒れずに立ち続けられます。このとき足首には外反が起きています。


足首が外反すると、母趾は外反母趾の方向へ動きます。 これは身体の構造に沿った生理的な動きで、意識だけで止めることはできません。 身体が外側へ傾いたまま歩けば、一歩ごとに母趾は外反方向へ動くことになります。


足袋ソックスで身体の外傾と母趾の外反角度が増えた
外反母趾のある人に、素足と足袋ソックスで歩いてもらいました。 素足でも身体は全体として左側へ傾いています。足袋ソックスを履くと、その左への傾きがさらに大きくなりました。



今回の計測では、足袋ソックスを履いたときのほうが母趾の外反角度も大きくなりました。 靴下は指先の形だけを変えるのではありません。身体の傾き、足首の外反、母趾への負担まで変えることがあります。

靴下の違いで足の外反角度と母趾への負担は変わる
片足立ちで比べると、靴下によって身体の傾きと足元の状態が変わることがわかります。 身体を外側へ傾ける靴下は、足首の外反を増やし、母趾が外反方向へ動きやすい環境をつくる可能性があります。

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つま先が外を向くと、母趾は外反方向へ動く
外反母趾が始まるもう一つの動きが、つま先を外へ向ける「トゥーアウト」です。 つま先を外へ向けると、母趾は外反方向へ動きます。これも身体の構造に沿った生理的な動きです。

靴下が変わると、歩行時のつま先の向きも変わります。 指が開くかどうかだけではなく、その靴下を履いた身体がどちらへ傾き、足がどちらを向くかまで観察する必要があります。

体の回転と足元の環境がトゥーアウトを生む
つま先の向きが少ししか変わっていなくても、身体が反対方向へ回転していれば、身体に対して足はトゥーアウトしています。 その状態で歩けば、母趾は繰り返し外反方向へ動きます。

靴下によってつま先の方向が変わるのは、身体の傾きや前後の重心位置も変わるためです。 足指だけを見ず、身体全体と床の間で何が起きているかを見ることが大切です。


足のロールとアーチ低下でも母趾は外反方向へ動く
一般的な靴下を履いた歩行では、足が内側へロールする様子が見られました。 足が内側へロールするとアーチが低下し、母趾は外反方向へ動きます。靴下の違いは、この足のロールにも影響します。


片足スクワットでも、素足と市販の靴下ではアーチの高さに違いが現れました。 市販の靴下でアーチが低下すれば、母趾も外反方向へ動きやすくなります。

回復が追いつかないと、外反方向の動きが変形として残る
母趾が外反方向へ動いたからといって、すぐに外反母趾の変形が完成するわけではありません。 足のアーチは朝より夕方に低くなることがあり、休息や睡眠の間に回復します。ところが、毎日の負担に回復が追いつかなくなると損傷が積み重なり、母趾が元の位置へ戻れなくなります。 外反母趾は、親指だけの問題として突然始まるのではありません。 身体の外傾、足首の外反、トゥーアウト、足のロール、アーチ低下という動作環境の中で、母趾が繰り返し外反方向へ動くところから始まります。
外反母趾の全体像は「外反母趾について」、工学的な見方は「工学から見た外反母趾」で詳しく解説しています。
足首の外反、つま先の向き、アーチ低下が身体へどう連鎖するかは、まぼろし工房の足部工学理論(Footwear System)で体系的にご覧いただけます。
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